相続対策
財産をよりよく残すために
相続対策について
円満な遺産分割のためには、生前から準備を始めることが大切です。
相続税の対象となる方に多いのですが、相続税の節税を第一に考えてしまい遺産を分けあう家族の気持ちを忘れてしまうことも少なくありません。
相続対策で最も大事なことは、家族同士の関係をより良いものにすることです。
家族同士の仲がよくないと、相続対策をしてもスムーズな相続手続きをとれないことがありますので、日頃から夫婦や親子間のコミュニケーションをとり、円滑にすすむように取りなしておきましょう。
相続対策の内容
相続対策は、以下の流れで行います。
- 1円満な遺産分割対策
- 遺産分割方法を大まかに考えたら、今、遺言者様が亡くなったら
相続税がかかるか調べます。
- 2相続税の資金確保
- かかる可能性がある場合は、納税資金を確保しつつ節税対策を検討していきます。
誰がいくら貰うと納税額が減るのか、一次相続、二次相続などいろいろなケースをシミュレーションして最適な分割方法を導きます。
- 3節税対策
- 各種節税対策を検討します。
具体的な対策方法の種類※適用には条件あり
遺言者が
遺産分割方法を決める
毎年110万円まで
子・孫に財産を贈る
死亡保険金の
非課税控除枠を使う
小規模住宅などの
特例を使用
子・孫などに非課税で
1,500万円まで贈与可能
結婚・子育てで非課税で
1,000万円まで贈与可能
法定相続人を増やす。
ただし制限有り
不動産の評価額が下がり
相続税の対象額が下がる
1度だけ不動産贈与他が
2,000万円まで非課税
最大2,500万円まで
贈与税が非課税に
仏壇や墓石の生前購入や
家屋の改築・改装など
電化製品や家具などの
動産の買い替え
暦年贈与
毎年110万円までの贈与は、贈与税がかかりません。これを利用し、子や孫へ贈与します。
もちろん、人数分贈与できます。
- 例子が2人、孫が4人の場合…
-
(子2人+孫4人)×1人当たり110万円=660万円
親や祖父母が、子や孫のもとにある通帳に振り込みます。
子や孫が通帳を所持しており、財産をもらったという認識をもっていることが必要です。
ただし、暦年贈与を受けた相続人・受遺者は、さかのぼって3年間分の贈与が
相続税の計算に組み入れられます。祖父母が孫の名義の預金通帳をつくってせっせと預金することがよくありますが、
これは名義預金と認定されるおそれがあるため、節税対策にはなりません。
- !連年贈与に注意
- 毎年、同じような時期に同額を贈与することは、定期贈与と判断される恐れがあります。
- 例100万円ずつ、5年間誕生日に贈与する
-
→500万円の贈与を5年分割で贈与したと判断される可能性あり!
贈与契約書を作ったり、贈与金額を110万円以内で細かく変化させる、
贈与の事実を遺すために110万円超の贈与をして申告し贈与税を支払う、
などの回避策があります。
生命保険加入
保険の契約の内容と税金は以下の表のとおりです。
CASE | 契約者 | 被保険者 | 保険金受取人 | 支払う税金の区分 |
---|---|---|---|---|
1 | 夫(故人) | 夫(故人) | 子 | 相続税 |
2 | 子 | 夫(故人) | 子 | 所得税 |
3 | 妻 | 夫(故人) | 子 | 贈与税 |
CASE 1
死亡保険金は、みなし相続財産であり、法定相続人1人に対し500万円まで非課税です。
- 例法定相続人が3名の場合…
-
500万円×3人(法定相続人)=1,500万円(非課税分)
また、この死亡保険金は、指定受取人固有の財産となるため
遺産分割協議の対象になりません。
CASE 2
子に所得税が課税されますが、増価分から50万円ひいて半分にするので、通常相続するときに発生する相続税より、安くなるケースがほとんどです。
(死亡保険金-払い込み保険料-50万円)×2分の1=課税対象額
さらに、生前に夫から子へ毎年110万円以下の暦年贈与をして保険料を支払えば
節税効果は、より大きくなります。
すでにCASE1で契約をしていた場合、CASE2で契約をするとよいでしょう。
CASE 3
子は、受け取った保険金のすべてが贈与税の対象となります。
死亡保険金は、遺産分割協議が不要なので比較的早く受け取ることができます。
預貯金だと口座が凍結されるため、遺産分割協議後にしか受け取れません。
生命保険料を支払える方は、お手軽で便利な生命保険加入もぜひ視野に入れてみてください。
もちろん、健康状態の告知や医師による健康診査がありますのでできるだけ早い方が有利です。
ただし、認知症を発症してからの加入できませんのでご注意ください。